ホテルニューオータニをはじめ、全国にグループホテルを展開する株式会社ニュー・オータニ。直営ホテルの運営を軸に、レストランやディナーショーなど、それに付随する総合ホスピタリティサービスを提供しています。国内外のお客様を迎える場を、施設からサービスまで一貫して自社で運営しているのが特徴です。

- 社名:株式会社ニュー・オータニ
- 業種:ホテル運営
マネージメントサービス部 デザイン室 係長 クリエイティブディレクター 森口 芙美子 氏(左)
マネージメントサービス部 デザイン室 岩田 美穂 氏(中央)
マネージメントサービス部 マネージメントサービス課 広報 マネージャー濱川 未来 氏(右)
インタビューInterview
ホテルニューオータニをはじめ、直営ホテルの運営と総合ホスピタリティサービスを担う株式会社ニュー・オータニ。同社のマネージメントサービス部デザイン室が手掛ける制作物は、その多くがオフラインだ。エントランスを彩る迎え花や絨毯のデザイン、館内の看板やメニュー、レストランのチラシや冊子。そこにWebサイトのバナーが加わる。立体から平面まで、制作物の種類を問わない。
かつての制作進行は、それぞれの担当者の中にとどまることもあり、組織全体への共有に限界があった。印刷物も立体物も、依頼は口頭やメールで届き、修正指示はPDFやスキャンデータを添付してやりとりする。保管ルールも定まらず、過去の制作物の在り処が追えないことも少なくなかった。
この属人化と回覧の時間的コストを解消するために導入されたのが、当社の『AdFlow』である。導入から約5年、アカウント数は30強に広がり、現在はデザイン室にとどまらず、制作を依頼する社内のスタッフや取引先の制作会社まで日常的に利用している。
今回は同社の森口氏、濱川氏、岩田氏に、『AdFlow』導入前の課題と社内への浸透プロセス、導入後の変化について話を伺った。
導入前の課題Problem

既存の業務プロセスにおける問題
ー AdFlow導入前の業務プロセスにおいて、どのような課題を感じていましたか?
森口:一言で言えば、制作の進行が属人化していたことです。印刷物や立体物は工程が長く、関係者も多くなります。それにもかかわらず、修正指示はメールでやりとりし、進行は各担当者が責任を持って管理するしかない状態だったため、共有漏れもたびたび発生していました。
濱川:案件の進捗確認は直接声をかけ合うしかありませんでした。ただ、この方法で確認できるのは自分が把握している案件だけで、存在を知らない案件は確認のしようがありませんでした。
森口:当社ではデザイン室を必ず通過したものだけが館内や社外に出るというルールがあります。それにもかかわらず、把握していない制作物がすでに館内に出ていた、ということが発生し、問題視していました。
岩田:修正のやりとりを取りまとめるのも一苦労でした。関係者それぞれから赤字が届くので、こちらで内容を突き合わせ、1つにまとめたうえでデザイナーへ渡します。特にオフラインの制作物は、手書きの紙をスキャンしたものやPDFが混在するため、どれが最新の指示なのかを確認するところから始めなければなりません。完成データについても共有フォルダの命名ルールが担当者ごとにばらばらで、後から探し出すのに苦労していました。
AdFlow導入までの経緯
ー どのような経緯で導入し、社内へ展開したのでしょうか。
岩田:誤字やミスが続けて発生していた時期だったこともあり、制作物を管理できるツールがあればいいという話は社内で出ていました。そこでAdFlowを知り導入を決めました。そのため、社内にどう浸透させるかが出発点でした。
森口:まず私がリーダーとなり、サポートを受けながら使い方をマスターしました。操作を覚えてからは、部署のスタッフを集めて勉強会を実施し、少しずつ社内に浸透させました。現在は30強のアカウントがあり、マネージメントサービス部のスタッフは全員が使用しています。
今では、部署へ異動してきたメンバー向けの研修プログラムにも、AdFlowを学ぶ時間が組み込まれています。業務を進行するうえで、AdFlowはなくてはならないものになりました。
導入による解決Solution

AdFlow導入による効果
ー AdFlowをどのような業務に活用していますか?
森口:レストランのチラシやディナーショーの販促物、館内の看板やメニュー、エントランスの迎え花や絨毯のデザインまで、印刷物も立体物も含めてデザイン室が手掛ける制作物の全般です。依頼元は宿泊・レストラン・イベントの各販売促進担当者で、担当者がAdFlow上で起票し、デザイン室のスタッフが形にして数回の校正を重ねます。館内に入る施工業者との展示物のやりとりも、AdFlowを介して制作会社と進めています。
岩田:私自身は、受注者として依頼を受けてデータを送る場面もあれば、デザイナーへ依頼する依頼元の立場の場合もあり、全体的な業務に活用しています。
ー 導入によってどのような効果がありましたか。
森口:最も変わったのは修正指示です。チラシや冊子のように紙で仕上げる制作物は校正の往復が多く、以前は依頼元に手書きで書いてもらい、スキャンして送ってもらっていました。そのため文字が読み取れないことや、修正意図が伝わらないことも少なくありません。
AdFlowの指示出し機能で該当箇所へ直接書き込めるようになり、指示の内容も意図も正確に汲み取れます。確認のやりとりが減り、制作時間の短縮につながりました。
岩田:依頼の受け方そのものも変わりました。必要な情報が揃わないまま届き、そのたびに確認へ出向くことも珍しくなかったのです。AdFlowでの起票に統一してからは、納期や使用する写真を依頼の時点で記入してもらえます。「何を伝えればよいか分からない」という依頼元には、起票の項目が指針になっているようです。
森口:過去の制作物が蓄積される点も役立っています。昨年と同じテイストにするか一新するかを判断するには過去のものを確認する必要がありますが、かつては関係者への取り寄せ依頼から始めるため着手が遅れ、担当の方が辞めていて確認できないこともありました。今は検索ですぐに発見できるので、前年のデザインを前提に考えられ、リードタイムが短くなっています。
ー マネジメントの観点ではいかがでしょうか。
森口:案件の全体像をつかめるようになったことが、大きな変化として挙げられます。ステータスで案件が並ぶため、優先順位をその場で判断できますし、デザインスタッフ5名の誰が何の案件を抱えているかも一目で分かります。自分が担当していない案件もタイトルで検索できるようになり、知らないうちに制作が進行しているということもなくなりました。
AdFlow上で進行状況や処理速度を並列して把握できるようになったことで、各デザイナーが得意とする制作物が明確になりました。これにより、得意分野に応じた案件の割り振りや、特定メンバーへの負荷の偏りを防ぐ適切なタスク分配が可能になりました。
ー 冊子の制作でも活用されているとうかがいました。
濱川:ニューオータニクラブに入会いただいている会員へ2カ月に1回お届けしている冊子の制作で活用しています。この冊子でAdFlowを使いはじめたのは、導入から3年ほど経ってからでした。ページ数が多く、原稿に関わる関係者も40名ほどいるため、一人ひとりから原稿を集めて内容を構成し、デザイナーへ渡すまでを1つの画面で完結できることは、大きな助けになっています。
次の目標は、この運用を地方の拠点まで広げることです。地方のスタッフからの修正は紙やPDFで届きます。一方で制作会社との連絡はAdFlowに集約しているため、私が修正指示を入力し直す作業が発生してしまうのです。
関係者が等しく同じ画面を見られるようになれば、入れ直しの工程はなくなり、校了までのスピードも上げられるはずです。
今後への期待Future Outlook

今後のAdFlowへの期待
ー AdFlowに今後期待する部分はありますか?
森口:日々使う中で感じる細かな点でいえば、閲覧とダウンロードのみが可能な軽い権限のアカウントがあること、そしてメッセージが新着順に自動で並び替わることでしょうか。案件数が多いと、ピン留めしたものも2ページ目に回ってしまうので、確認漏れを防ぐ意味でも助かります。
あとは移動中に制作物を確認することも多いので、スマホ版の機能がより充実していくと嬉しいです。日々活用しているからこそ感じることなので、今後のアップデートにも期待しています。
まとめSummary
-
AdFlow導入前の課題
メールとPDFを前提とした属人的な制作進行
命名ルールが定まらず、
過去の制作物をたどれない状態
デザイン室が把握していない制作物が
館内に掲出されるリスク -
AdFlow導入による効果
チラシや看板、迎え花まで、
媒体の異なる制作物を1つの画面で進行管理
該当箇所へ直接書き込む修正指示で、
内容と意図の伝達精度が向上
案件のステータス一覧で
デザインスタッフの
負荷と得意分野を
可視化し関係者40名以上の冊子制作も完結 -
今後のAdFlowへの期待
閲覧・ダウンロードのみの権限設定と、
新着メッセージ順の並び替え
移動中でも手軽に使える
スマートフォン向け機能の充実
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